リモートワーク転職で失敗した人が全員やっていたこと【元人事の告白】

「リモートワークOKと書いてあったのに、入ったら週4出社だった。」

転職者からこの言葉を聞くたびに、元人事として申し訳ない気持ちになります。

なぜなら、採用側がその事実を知りながら、伝えていないケースがあるからです。

「リモート可」求人の実態を、元人事が正直に言います

年間500人以上と向き合ってきた私が断言します。

求人票の「リモートワーク可」は、「週1日だけ」「試用期間は出社必須」「チームによってルールが違う」のいずれかであることが珍しくありません。

採用担当者は、聞かれなければ詳細を話しません。候補者が「リモートで働けると思っている」ことに気づきながら、訂正しないことがあります。

なぜか。「正直に言ったら応募が減る」から。これが採用現場の本音です。求人媒体に載せる文言は、基本的に「応募数を増やすこと」が目的で作られています。「リモート可」という4文字があるだけで応募数が変わるため、細かい条件を先に出したがらない企業側の事情があるのです。

面接で「リモートの実態」を確認する具体的な質問例

この状況を避けるために、面接の段階で確認しておくとよい質問がいくつかあります。「現在、実際にリモートで勤務している社員の方は、週に何日出社されていますか」「試用期間中もリモート勤務は可能でしょうか」「部署やチームによってリモートの運用は異なりますか」。

こうした質問を投げかけると、採用担当者の答え方で温度感がわかります。即答できる場合は実態が整理されている会社であることが多く、逆に「基本的には可能です」というように曖昧な返答が続く場合は、運用が固まっていない、あるいは実態と求人票にズレがある可能性を疑ってよいと思います。

リモートワーク転職で失敗した人が全員やっていたこと

私が見てきた中で、リモートワーク転職で後悔した人たちに共通していたことがあります。

「リモートができるエージェント」ではなく「求人数が多いエージェント」を使っていた。

大手の総合エージェントは求人数が多い代わりに、リモートワークの実態情報を個別に持っていません。

「リモート可と書いてあります」という情報を渡すだけで、「週何日リモートか」「試用期間後はどうか」を確認せずに紹介します。

実際にあった相談で印象に残っているのは、「面接で聞くのは気まずいので、聞かずに入社を決めてしまった」というケースです。入社後、実際には「原則出社、リモートは月2回まで」という運用だったことが判明し、家庭の事情でリモート前提の転職をしたにもかかわらず、再び転職活動をやり直すことになっていました。聞きにくい質問こそ、面接という機会を使って確認しておく価値があります。

リモートワーク転職で成功した人がやっていたこと

一方で、リモートワーク転職に成功した人には共通点がありました。

「リモートワークに特化したエージェント」を使っていた。

リモートワーク専門のエージェントは、掲載している求人の実態を確認済みです。「週何日か」「試用期間の扱いは」「どの部署が対象か」を事前に確認した求人のみを扱っています。

それだけで、入社後の「こんなはずじゃなかった」がほぼなくなります。専門特化型のエージェントは扱う求人数こそ総合型に劣りますが、1件1件の情報の精度が違います。企業側にヒアリングした上で「実態としてリモート何日か」を掲載している求人が多いため、候補者側が改めて確認する手間も減ります。

また、専門エージェントの担当者は、リモートワークに関する候補者側の不安や懸念を日常的に聞いているため、面接での質問の仕方についてもアドバイスをもらえることが多いです。「その質問は少し踏み込みすぎかもしれません」「この聞き方なら角が立ちません」といった、伝え方の面でのサポートを受けられるのは、専門特化型ならではのメリットだと感じています。

リモート求人を見るときにチェックしたい3つのポイント

求人票を見る段階でも、リモートの実態を推測できるポイントがあります。①「原則リモート」ではなく「完全リモート」「週◯日出社」など、日数まで明記されているか。②募集背景に「全国から採用」「居住地不問」といった記載があるか。地方在住者を積極的に採用している会社は、実態としてもリモート運用が定着している傾向があります。③会社の採用ページやSNSで、実際に働く社員のインタビューが掲載されているか。実際の働き方が写真や文章で示されている会社は、隠す必要のない実態を持っていることが多いと感じます。

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転職エージェントは相性による部分も大きいため断言はできませんが、サポート体制や求人の幅という観点で検討する価値があるサービスとして以下を紹介します。

内定後、条件面談で確認しておきたいこと

面接だけでなく、内定が出た後の「条件面談」も重要な確認の場です。この段階になると企業側も「この人に来てほしい」という気持ちが強くなっているため、面接中よりも踏み込んだ質問がしやすくなります。

具体的には、雇用契約書や労働条件通知書に「リモートワークに関する規定」が明記されているかを確認するとよいと思います。口頭での説明だけで終わらせず、「就業規則の中でリモートワークについてはどのように定められていますか」と聞き、可能であれば書面で確認する。これは疑い深いということではなく、双方の認識のズレを防ぐための、ごく一般的な確認作業です。

実際、内定後の条件面談で初めて「試用期間中は出社が必須」という条件を知り、そこで初めて交渉のテーブルに乗った、というケースも見てきました。早い段階で確認しておけば、入社前に対応策を考える時間も生まれます。

入社後にリモート運用が変わることもある

もう一つ、正直にお伝えしておきたいことがあります。入社した時点ではリモートワークの運用が整っていても、会社の方針転換によって後から出社日数が増えるケースも一般的にはあり得ます。

これは個人の努力では防ぎきれない部分です。だからこそ、入社時点の条件だけでなく、「その会社がリモートワークをどういう位置づけで考えているか」という経営の姿勢も、可能な範囲で確認しておく価値があります。「コスト削減のためのリモート」なのか、「働き方の選択肢としてのリモート」なのかによって、今後の方針変更の可能性は変わってくると考えられます。

フルリモートを選んだ人が直面しがちな課題

リモートワーク自体が実現できたとしても、それで全てが解決するわけではありません。実際にフルリモートで働き始めた人から、別の悩みを聞くこともあります。

よく聞くのは、「評価のされ方が見えにくい」という声です。オフィスで隣に座っていれば、仕事ぶりを日常的に見てもらえますが、リモートではその機会が減ります。成果物や報告の仕方次第で評価が左右されやすくなるため、「見えない努力」をどう可視化するかが、フルリモート環境で働く上での新しい課題になっているようです。

もう一つは、「孤独感」に関する声です。特に転職直後は、社内の人間関係やカルチャーを掴む前にリモートで働き始めることになるため、雑談の機会が少なく、孤立感を覚えやすいという声も聞かれます。入社後しばらくは、意識的にオンラインでの雑談の場や、1on1の機会を活用することが、孤立を防ぐ一つの工夫になると考えられます。

リモート環境での「見える化」の工夫

評価の見えにくさに対応するために、自分から積極的に「今、何をしているか」「どんな成果が出たか」を発信する習慣を持つ人が、リモート環境でもうまく評価されている傾向があります。日報や週報を丁寧に書く、チャットツールで進捗をこまめに共有する、といった小さな積み重ねが、リモート環境では対面以上に重要になってくると感じています。

リモート求人の求人票で見落としがちな表現の違い

求人票の文言は、細かい言い回しの違いで実態のニュアンスが変わります。「リモートワーク可」と「フルリモート」と「原則リモート」は、似ているようで意味がまったく異なります。

「リモートワーク可」は、あくまで選択肢の一つとして用意されているだけで、実態としては出社が基本というケースが多く見られます。「原則リモート」は、リモートが基本ではあるものの、会議や研修など特定の場面では出社が求められることを示唆しています。一方で「フルリモート」「完全リモート」と明記されている場合は、実態としても出社の必要がないケースが多い傾向にあります。

求人票を読むときは、こうした言葉の違いに注意を払い、曖昧な表現が使われている場合は、面接の場で具体的な日数を確認することをおすすめします。

リモートワーク専門エージェントを選ぶときの比較ポイント

リモートワークに特化したエージェントといっても、得意分野には違いがあります。選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。

①保有している求人の職種の幅。ITエンジニア職に強いエージェントもあれば、事務職やバックオフィス系のリモート求人に強いエージェントもあります。②企業への確認体制。求人を掲載する前に、実際にリモートの運用実態をヒアリングしているかどうかは、エージェントによって差があります。③担当者の実務経験。リモートワークでの就業経験がある担当者は、候補者側の不安に対して具体的なアドバイスをしやすい傾向があります。

複数のエージェントに登録した上で、初回面談の際にこの3点を意識して質問してみると、自分に合ったエージェントかどうかを見極めやすくなります。

転職で一番大事な「入口の選択」

どのエージェントを選ぶかが、リモートワーク転職の成否を決めます。

求人数よりも、実態情報を持っているかどうか。

また、面接の場で「聞きにくいことを聞く勇気」も同じくらい重要です。リモートワークの実態は、企業側から積極的に開示されることは少なく、候補者側から確認して初めて明らかになることが多いというのが、採用現場を見てきた実感です。

リモートワークを軸に転職先を選ぶ場合、優先順位を「働き方」だけに置きすぎないことも大切だと感じています。リモート可という条件だけで選んでしまうと、業務内容や評価制度とのミスマッチに後から気づくことがあります。「リモートで働けるか」と「その仕事にやりがいを感じられるか」は、本来別の軸で確認すべきものです。

また、選考の過程で「他にリモートワークで働いている社員と話す機会をもらえないか」と依頼してみるのも有効な確認方法です。人事担当者を通した公式な説明だけでなく、実際に現場でリモート勤務している社員の生の声を聞けると、求人票やホームページだけではわからない実態が見えてくることがあります。カジュアル面談という形で対応してくれる企業も増えているため、遠慮せず相談してみる価値はあります。

リモートワーク前提の転職で後悔しないための最終チェックリスト

最後に、内定を受ける前に確認しておきたい項目を整理します。①リモート勤務の頻度(週何日か、試用期間中の扱い)、②評価制度がリモート前提で設計されているか、③リモートワーク用の設備費や通信費の補助があるか、④チーム内のコミュニケーション手段(チャット、ビデオ会議の頻度)、⑤将来的な出社義務化の可能性について会社の方針。

この5点を面接や条件面談の中で確認しておくと、入社後のギャップをかなりの部分で防ぐことができます。すべてを一度に聞く必要はなく、選考が進む段階に応じて少しずつ確認していくとよいと思います。

ただ、エージェントを選ぶ前に確認すべき「質問が一つ」あります。その質問は良いエージェントの選び方の記事で詳しくお話しします。

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面接での「実際の答え方」まで知りたい方へ

このブログでは、面接官が何を見ているかという考え方を中心に書いています。実際の面接でどう答えるか、質問別の回答テンプレートや、職務経歴書・二次面接・条件交渉までを含めた具体的な内容は、noteにまとめています。

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