転職エージェントの評判・口コミ、SNSはどこまで信じていい?元人事が教える「作られた数字」の見分け方

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

「このエージェント、評判いいって聞いたから登録してみようかな」
そう思ってスマホで検索を始めた瞬間、あなたの画面には「利用者満足度98%」「口コミ評価4.8」といった数字と、SNSでバズっている「このエージェントのおかげで年収150万円アップしました」という投稿が次々に流れ込んでくるはずです。私は転職エージェントで働いたことは一度もありませんが、企業の人事担当として3年間、年間500人以上と面接し、エージェント経由の推薦状を数えきれないほど受け取ってきました。採用する側からエージェントとその「評判」を見続けてきた人間として、正直に言います。ネットやSNSに並んでいる評判・口コミの数字は、そのまま鵜呑みにしていい情報ではありません。

この記事では、私自身がどのエージェントを使ったかという体験談は書きません(利用したことがないからです)。その代わり、採用側という「評判を作る側の一歩外」にいた人間だからこそ見えていた、口コミ・評判というものの構造と、それでも失敗しないための見極め方をお伝えします。

転職エージェントを選ぶ前に、あなたが今見ているのは「誰の声」か

まず整理しておきたいのは、あなたが目にしている「評判」には、大きく分けて3種類があるということです。1つ目は比較サイト・ランキングサイトに掲載されている点数や「利用者の声」。2つ目はX(旧Twitter)やInstagramなどSNS上の個人の投稿。3つ目は知人・友人からの口コミです。この3つは、信頼度も、作られ方も、まったく別物です。

比較サイトの点数は、多くの場合そのサイト自体がエージェントからの送客報酬(アフィリエイト収入)で運営されています。私自身、当サイトでも記事の中でアフィリエイトリンクを紹介していますので、これは読者を欺くために書いているのではなく、この業界の構造として知っておいてほしい事実です。送客報酬が発生するサイトほど、悪い評判よりも良い評判を目立たせる構成になりやすい、という傾向は否定できません。だからこそ、「このサイトはどうやって収益を得ているのか」を一度確認する習慣が、評判を読むうえでの最初の一歩になります。

採用側にいた人間として見てきた、評判・口コミの「作られ方」

ここからが、他の比較サイトにはなかなか書かれていない話です。私は人事として、複数のエージェントから求職者の推薦を受ける立場にいました。その中で気づいたのは、エージェント各社が「求職者からの評判」を非常に重視しているという事実です。これは悪いことではありません。むしろ健全な競争です。ただし、その評判を集める過程には、いくつか知っておくべき構造があります。

1つは、内定が決まった直後、あるいは転職活動が終わったタイミングで、担当者から「よろしければ口コミサイトへの投稿にご協力いただけますか」という案内が来るケースがあることです。これ自体は違法でも不正でもありませんが、「転職が無事に終わった、感謝の気持ちが一番高まっているタイミング」で集められた声である、という点は意識しておく必要があります。転職後3か月、半年経ってから同じ人に聞いたら、評価が変わっている可能性は十分にあります。

もう1つは、2023年10月から日本でもステルスマーケティング(いわゆるステマ)が景品表示法の規制対象になったという事実です。これによって、企業から対価を受け取って投稿しているにもかかわらず、それを明示しない口コミ・レビューは規制の対象になりました。SNSで見かける「このエージェント最高でした」という投稿がすべてそうだと言うつもりはありませんが、規制ができたということは、それだけ「対価を受け取った上での好意的な発信」が業界全体で問題視されてきた裏返しでもあります。

SNSで見かける「年収150万円アップしました」という投稿の読み方

SNS、特にXでは、具体的な数字を使った投稿が拡散されやすい傾向にあります。「フォロワーが3ヶ月で1万人になりました」「クライアントの通過率が32%から78%に改善しました」といった、Before→Afterの数字が並ぶ投稿は、抽象的な「良くなりました」よりもはるかに説得力を持って見えます。これは転職エージェントの評判投稿でも同じで、「年収150万円アップ」「内定率90%」といった具体的な数字ほど、読み手の記憶に残り、信頼されやすくなります。

ですが、採用側にいた人間として申し上げると、数字というのは切り取り方次第でいくらでも印象を変えられるものです。「年収150万円アップ」の内訳が、賞与を含めた年収なのか、基本給なのか。比較対象が前職の最終年収なのか、入社当初の年収なのか。こうした前提条件を確認しないまま数字だけを受け取ると、自分のケースに当てはめたときに大きなギャップが生まれます。SNSの投稿を見て「自分もそうなれるかもしれない」と期待を持つこと自体は自然なことですが、その数字の「前提」まで確認する癖をつけてほしいのです。

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当サイトがおすすめする選択肢の一つです

転職エージェントは相性による部分も大きいため断言はできませんが、サポート体制や求人の幅という観点で検討する価値があるサービスとして以下を紹介します。

評判・口コミを見るときに確認したい5つの基準

とはいえ、評判や口コミをまったく参考にするなというのは非現実的です。私がおすすめするのは、「点数」や「バズった投稿」そのものではなく、次の5つの視点で評判情報を読み解くことです。

1. 投稿・記事の日付を確認する
転職エージェント業界は担当者の異動や求人の入れ替わりが頻繁にあります。1年以上前の口コミが、今の担当体制や求人の質をそのまま反映しているとは限りません。

2. 「良い」だけでなく「合わなかった」という声も探す
良い評判しか出てこないサイトやアカウントは、その時点で情報源として偏っている可能性があります。「合わなかった」「担当を変えてもらった」という声が一定数出てくるサイトのほうが、実は健全な情報源であることが多いです。

3. 具体的な業界・職種が自分と一致しているか確認する
「このエージェントは神対応だった」という評判が、まったく違う業界・年代の人の体験談であれば、あなたに当てはまるとは限りません。40代・50代であれば、同年代・同じような職種の人の声かどうかを意識してください。

4. 発信者がエージェントと利害関係を持っていないか見る
アフィリエイト収入を得ている比較サイトなのか、個人の純粋な感想なのかを見分けることは、評判を読むうえで最も基本的なことです。当サイトも冒頭でお伝えした通りアフィリエイトを含みますので、その前提を踏まえた上で読んでいただくのがフェアだと考えています。

5. 最終的には自分で担当者と話して判断する
どれだけ評判を調べても、実際に合うかどうかは担当者との相性次第という部分が大きいのが実情です。評判はあくまで「候補を絞るための材料」であり、「最終的な決め手」ではないと割り切ることが、後悔しない選び方につながります。

「口コミが少ない」ことは、必ずしもマイナスではない

もう一つ、評判を調べる中で見落とされがちな視点があります。それは「口コミの件数が多い=優れたエージェント」とは限らない、ということです。求職者数が多い大手総合型エージェントは、それだけ母数が多いため口コミの件数も自然と増えます。一方で、特定業界・特定職種に特化した中小のエージェントは、そもそも登録者数自体が少ないため、比較サイト上の口コミが数件しかない、というケースも珍しくありません。

採用側の立場から見ていても、専門特化型のエージェントほど、1人の求職者にかける時間が長く、業界知識に基づいた深いすり合わせをしてくる担当者が多いという印象がありました。口コミの件数だけで比較すると、こうした専門特化型のエージェントは不利に見えてしまいますが、それは「知名度が低いから評判が悪い」のではなく、単に「絶対数が少ないから目立たないだけ」というケースが多いのです。口コミの点数を見るときは、その裏にある「母数」も合わせて確認する習慣を持ってください。

こんな人は、評判・口コミだけで選ぶと失敗しやすい

一方で、評判・口コミの見方を工夫しても、そもそも評判ベースの選び方自体が向かない人もいます。例えば、専門性の高いニッチな業界・職種で転職を考えている人です。大手比較サイトの評判は利用者数が多い業界に偏りがちで、専門職向けのエージェントほど口コミの絶対数が少なく、評判だけでは実態がつかみにくい傾向があります。この場合は、評判よりも「その業界に強い」と明言しているエージェントを複数登録し、実際に話してみて判断するほうが確実です。

また、「とにかく早く転職先を決めたい」という緊急度が高い人も、評判を調べる時間そのものが機会損失になりかねません。こうした人は、評判の良し悪しよりも、まず動いてみて自分に合う担当者に出会えるかどうかで判断したほうが、結果的に早く前に進めることが多いというのが、採用側から見てきた実感です。

逆に、過去に転職で一度失敗した経験がある人や、「今度こそ担当者選びで後悔したくない」という気持ちが強い人ほど、評判・口コミを丁寧に読み解く価値があります。時間をかけて情報の背景を見極める作業は、担当者との初回面談で「この人には何を聞くべきか」を整理することにもつながるからです。評判を鵜呑みにするのではなく、評判を材料に自分なりの質問リストを作っておく、という使い方が、最も実践的だと私は考えています。

担当者との初回面談で、評判の「答え合わせ」をする

ここまで読んで、「結局どうやって評判を実際に確認すればいいのか」と思われた方もいるかもしれません。私がおすすめしているのは、評判・口コミから拾った内容を、初回面談で担当者に直接ぶつけてみるという方法です。「求人の質にばらつきがあると聞いたことがあるのですが、御社ではどのように求人を精査していますか」といった質問を投げかけてみると、担当者の答え方や反応の速さから、その口コミがどこまで実態に近いのかがある程度見えてきます。

質問された内容にきちんと向き合って具体的に答える担当者もいれば、曖昧にはぐらかす担当者もいます。この違いは、口コミサイトの点数を何十件読むよりも、はるかに多くの情報を教えてくれます。評判・口コミはあくまで「仮説」を立てるための材料であり、その仮説を検証する場が実際の面談だと考えると、情報収集の仕方そのものが変わってくるはずです。

まとめ

転職エージェントの評判・口コミは、比較サイトの点数もSNSの投稿も、それぞれの背景や利害関係を理解した上で読めば、十分に有用な情報になります。大切なのは、「満足度98%」や「年収150万円アップ」といった数字に飛びつく前に、その数字がどう作られ、誰が発信しているのかを一歩引いて見ることです。そのうえで、最後は実際に担当者と話し、自分の目で確かめる。これが、採用する側にいた人間として、私が一番お伝えしたい評判との付き合い方です。

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面接での「実際の答え方」まで知りたい方へ

このブログでは、面接官が何を見ているかという考え方を中心に書いています。実際の面接でどう答えるか、質問別の回答テンプレートや、職務経歴書・二次面接・条件交渉までを含めた具体的な内容は、noteにまとめています。

元人事の本音|note(記事一覧はこちら)

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