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転職エージェントに登録したのに、1週間たっても求人が来ない。来たと思ったら、まったく条件に合わない求人が数件だけ。「やっぱり40代・50代は相手にされないのか」と、画面を閉じたくなっている方は少なくないと思います。
先に、元人事として私が見てきた範囲での感覚をお伝えします。求人が来ない理由は、「年齢で切られている」という一言で片づけられるものではありません。もちろん年齢が全く関係ないとは言いません。ただ、登録の仕方や相手の選び方を変えるだけで、紹介される求人の数も質も変わるケースは確かにあります。年齢のせいにする前に、見直せる場所がいくつもあるのです。
私は人事として3年間、年間500人以上の面接と800枚以上の書類選考を担当しました。その立場から、この記事では「採用する企業側から見て、エージェントの紹介はどういう仕組みで動いているのか」を先にお話しし、そのうえで、登録後に求人が来ないときに見直したい3つのことと、転職サイトとの併用の考え方をまとめます。
この記事が向いている人・向いていない人
念のため、最初にお伝えしておきます。この記事は次のような方に向けて書いています。
- 40代・50代で、転職エージェントに登録して数日〜数週間がたった方
- 求人紹介が少ない、または希望と合わない求人ばかり来て困っている方
- 転職サイトとエージェントを併用すべきか、何社に登録すべきか迷っている方
反対に、「エージェントに任せておけば内定まで連れて行ってくれる」と考えている方には、少し耳の痛い内容になります。この点は後半の「向かない人」の章でもう一度触れます。
採用側から見た、エージェント紹介の仕組み
求人が来ない理由を考える前に、エージェントのビジネスの構造を押さえておく必要があります。ここを知らないまま登録すると、「なぜ自分には紹介が来ないのか」が見えなくなります。
求職者は無料、企業が成功したときだけ払う
有料職業紹介事業は、職業安定法で求職者から手数料を取ることが原則として禁止されています(第32条の3)。つまり、私たち求職者が無料で使えるのは、企業側が採用成功時に手数料を支払う仕組みだからです。一般に「成功報酬型」と呼ばれる形です。
採用側にいた人間として、これは非常に大きな意味を持つ事実だと考えています。エージェントにとっての「売上」は、求職者が登録した瞬間ではなく、企業に紹介した人が採用されたときに初めて立ちます。だから、エージェントの担当者は限られた時間の中で、「この人は企業に紹介して、決まりそうか」という視点で求職者を見ざるを得ません。冷たい話に聞こえるかもしれませんが、これは担当者個人の性格というより、構造の問題です。
企業が出してくる求人には、書かれていない「実質の条件」がある
もう一つ、採用側にいた人間として知っておいてほしいことがあります。労働施策総合推進法の第9条では、募集・採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えることが事業主に義務づけられており、年齢制限を設けることは例外的な場合を除いて認められていません。求人票に「35歳まで」と書けない理由はここにあります。
ただ、これは「企業がまったく年齢を意識しない」という意味ではありません。年齢制限は書けなくても、求人には必須の経験、想定している年収レンジ、配属先の組織構成といった条件が付きます。たとえば「配属先のチームリーダーが30代前半で、メンバー構成も20〜30代中心」という求人があるとします。その場合、年齢そのものではなく、「求める経験の種類」や「想定年収の上限」といった形で、実質的に紹介できる範囲が決まっていきます。
エージェントの担当者は、こうした「書かれていない条件」を企業との打ち合わせで把握しています。そして求職者の経歴を見て、「この求人に出して通る見込みがあるか」を判断します。求人が来ないという状況の多くは、この判断で「見込みを説明できない」と受け取られた結果として起きています。つまり、年齢そのものよりも、「あなたの経歴が、担当者に、どの求人に当てはまる人かとして伝わっているか」が分かれ目になりやすいのです。
求人が来ない40代・50代が見直したい3つのこと
ここからが本題です。登録したのに求人が来ないとき、見直す価値が高いと私が考える順に3つ挙げます。
見直し1:職歴が「何をやってきたか」で止まっていないか
私が書類選考で何百枚と見てきて、最も多かった惜しいパターンがこれです。職歴の欄が、「営業部にて法人営業を担当」「製造部門の管理業務に従事」のように、部署名と業務名だけで終わっているのです。
エージェントの担当者も、企業の人事も、この書き方からは「この人に何を任せられるのか」が読み取れません。担当者が求人と照らし合わせるときは、「課題」と「解決の経験」の組み合わせで探します。だから、次のように書き換えるだけで、紹介できる求人の幅が変わることがあります。
NG例:「営業部にて法人営業を担当。既存顧客のフォローと新規開拓を行った」
OK例:「製造業向けの法人営業を担当。取引が減っていた既存顧客10社を訪問し直し、提案の型を作り直して取引を回復させた。部下3名への同行指導も担当」
OK例の「10社」「3名」は、あくまで書き方を示すための例です。大切なのは、数字そのものより「どんな状況で、何をして、どうなったか」が一文に入っていることです。実績の数字がきれいに出ない仕事でも、「何人を、どのくらいの期間、どう支援したか」のような規模の情報は書けるはずです。まずはここを書き換えて、担当者に再提出してみてください。
見直し2:希望条件が「広すぎる」か「全部が譲れない」になっていないか
希望条件の出し方も、求人の来方に直結します。よくあるのは次の2つのパターンです。
パターンA:広すぎる。「営業でも企画でも人事でも、何でもいいです」。親切に聞こえますが、担当者から見ると、どの求人に結びつけるかの手がかりがありません。結果として、無難な求人が少数だけ来て終わります。
パターンB:全部が譲れない。「年収は今のまま以上、勤務地は自宅から30分、役職は今と同等以上、残業なし」。条件がそろうほど、該当する求人は少なくなります。担当者は「この条件で紹介できる求人は、今は無い」と判断して、連絡が止まります。
おすすめは、条件を3段階に分けて伝えることです。
- 絶対に譲れないもの(1〜2個):たとえば「年収の下限」「通勤の上限」
- できれば満たしたいもの(2〜3個):たとえば「役職」「業界」
- 状況次第で譲れるもの:たとえば「会社の規模」「職種の細かな名称」
この3段階があるだけで、担当者は「ここまでなら探せる」と判断しやすくなります。紹介の幅は、条件の厳しさよりも、条件の優先順位の見えやすさで変わると私は考えています。
見直し3:相手の得意領域と、あなたの経歴が合っているか
3つめは、エージェント側の得意領域とのずれです。エージェントにも得意とする職種・業界・年収帯があります。若手のポテンシャル採用の紹介に強いところもあれば、管理職・専門職の紹介に強いところもあります。
40代・50代の方が、若手向けの求人を多く扱う窓口にだけ登録しても、紹介できる求人が少なくなるのは自然なことです。これはあなたの価値が低いのではなく、「窓口の選び方」の問題です。登録するエージェントを選ぶときは、次の点を公式サイトで確認してみてください。
- どの年代・職種・年収帯を想定したサービスとして説明されているか
- 自分の業界の求人や、管理職・専門職の求人を扱っているか
- 初回面談の進め方や、担当者が付く仕組みがどう書かれているか
なお、実際の使い勝手は担当者との相性にも左右されます。私は特定のサービスの優劣を断言できる立場ではありませんし、利用実績に基づく評価も書きません。確認できるのは、公式サイトに書かれている情報までです。
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当サイトがおすすめする選択肢の一つです
転職エージェントは相性による部分も大きいため断言はできませんが、サポート体制や求人の幅という観点で検討する価値があるサービスとして以下を紹介します。
転職サイトとの併用で「待ちの姿勢」から抜ける
ここまでの3つを見直しても、エージェント経由の紹介が思うように増えない時期はあります。そのときに有効なのが、転職サイトとの併用です。併用の考え方を、採用側の目線も交えて整理します。
エージェントは「待ち」、転職サイトは「攻め」
エージェント経由の紹介は、基本的に「担当者から求人が届くのを待つ」形になります。一方、転職サイトでは、自分で求人を検索し、応募できます。担当者の見込み判断を通さずに、「自分が応募したい求人」に直接応募できるのが大きな違いです。
採用側にいたとき、直接応募の書類は、エージェントの推薦文が付かない分、職務経歴書の中身そのものが評価の中心になります。つまり、先ほどの「見直し1」で職歴を書き換えておくことが、サイト経由の応募でも、エージェント経由の紹介でも、同じように効いてきます。作業が二重にならないという意味でも、併用は理にかなっています。
登録するタイミングは「在職中の、情報収集の段階」から
よく聞かれるのが、「まだ転職を決めていないのに登録してもいいのか」という疑問です。私の考えでは、登録は早めで構いません。理由は2つあります。
1つは、エージェントの担当者と最初に話すと、自分の経歴が市場でどう見えるかの反応が得られることです。これは求人が来ないときの原因の切り分けにも使えます。もう1つは、在職中のほうが、条件に納得できなければ「今回は見送ります」と言える余裕があることです。焦って決める必要がありません。
何社に登録するか:私の目安は2〜3社
登録社数に決まりはありません。あくまで私の目安ですが、最初は2〜3社が管理しやすいと考えています。1社だけだと、その担当者の見立てだけに頼ってしまい、「求人が来ない」ときに原因が切り分けられません。逆に、5社、6社と増やすと、連絡のやり取りだけで時間がなくなります。
2〜3社に登録する場合は、役割を分けると整理しやすくなります。たとえば、幅広い求人を扱う窓口を1つ、自分の業界や職種に近い領域に強い窓口を1つ、というように、得意領域が重ならない組み合わせにします。同じ求人が複数の窓口から来た場合の応募の順番は、別の記事(転職サイトとエージェントで同じ求人を見つけたときの順番)にまとめていますので、併せてご覧ください。
エージェントを選ぶときの基準(4つ)
求人が来ない状態を避けるために、登録前に確認したい基準を4つにまとめます。
- 自分の年代・年収帯の求人を扱っているか:公式サイトの説明や、サービスの対象として書かれている内容を見ます。
- 初回面談で、経歴の「聞き取り」をしてくれるか:職歴を一緒に整理してくれる担当者は、求人の紹介もしやすくなります。
- 連絡の頻度とルールを、最初に擦り合わせられるか:「週に何回、どの手段で連絡するか」を最初に伝えておくと、連絡が来なくなる不安が減ります。
- 紹介できない場合に、理由を説明してくれるか:理由が分かれば、見直し1〜3のどこを直すべきかが分かります。
特に4つめは大切です。紹介できない理由を聞いて、それを職歴の書き方や条件の出し方にすぐ反映できる方は、次の応募につなげるのが早いと感じます。
こういう人には向かない
信頼してもらえる記事にするために、向かない方のことも書いておきます。
- 年収・勤務地・役職のすべてを「現状維持以上」で固定したい方:条件が厳しいほど、エージェント経由でも紹介できる求人は少なくなります。
- 職歴の書き直しをしたくない方:求人が来ない原因の多くは、職歴の伝わり方にあります。ここを変えないまま登録先を増やしても、結果は大きく変わらないことがあります。
- すぐに内定を取りたい方:エージェントも転職サイトも、応募から内定までには一定の期間がかかります。数日で結果を求める使い方には向きません。
今日からできる、3つの行動
最後に、今日から動ける形にまとめます。
行動1:職歴の1行目を書き換える
直近の職歴について、「状況→行動→結果(または規模)」が一文に入る形に書き直してください。30分あれば1社分は書き直せます。
行動2:条件を3段階に分けた一覧を作る
「絶対に譲れない/できれば満たしたい/譲れる」の3列で、メモに書き出します。これを担当者にそのまま共有するだけでも、紹介の質が変わることがあります。
行動3:担当者に「紹介が難しい理由」を聞く
求人が来ないときは、遠慮せずに「今の経歴で、紹介が難しい求人はどんな点がネックになっていますか」と聞いてみてください。丁寧に答えてくれる担当者であれば、その答え自体が、見直しの手がかりになります。聞いても曖昧な答えしか返ってこない場合は、別の窓口を検討するサインの一つです。
まとめ
登録したのに求人が来ないとき、「年齢のせいだ」と結論を急ぐ前に、次の3点を確認してみてください。
- 職歴が「何を任せられる人か」まで伝わる書き方になっているか
- 希望条件に優先順位がついているか
- 登録した窓口の得意領域と、自分の経歴が合っているか
そして、エージェントの紹介を待つだけにせず、転職サイトと併用して自分から応募する動きも持っておくこと。この2つを組み合わせるだけで、「待っているだけで何も起きない」という状態からは抜け出しやすくなります。
私は面接官として、年齢の高い応募者の方が、書類の書き直しや条件の整理を重ねたあとに、見違えるほど評価が変わる場面を何度も見てきました。もちろんすべての方がそうなるとは言いません。ただ、見直せる場所があるうちは、諦めるのは早いと思っています。あなたは今、この3つのうち、どこから手をつけられそうでしょうか。
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転職エージェントは相性による部分も大きいため断言はできませんが、サポート体制や求人の幅という観点で検討する価値があるサービスとして以下を紹介します。
面接での「実際の答え方」まで知りたい方へ
このブログでは、面接官が何を見ているかという考え方を中心に書いています。実際の面接でどう答えるか、質問別の回答テンプレートや、職務経歴書・二次面接・条件交渉までを含めた具体的な内容は、noteにまとめています。


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